年々複雑化するサプライチェーンのBCP策定にこそコンサルタントの活用を。
最近のサプライチェーンを見ると、グローバル化はもちろん、サプライチェーンマネジメント(SCM)に高度なシステムが導入されたり、専門化が進んだりと年々複雑化しているといえます。複雑化にともにない、災害や紛争などの物理的なリスクやITシステムへのサイバー攻撃、サプライチェーンに反社会的アクターなどが関与した場合のリピュテーション毀損など非物理的なリスクなど、リスク自体も複雑化、広範化する傾向にあるといえます。
サプライチェーンに依拠する企業、サプライチェーンの機能を果たしている企業はにとってBCPの策定は企業として存続していくために必須といえるでしょう。ここではサプライチェーンのBCPを策定する場合の考慮事項等について説明します。
サプライチェーンにBCPにコンサルタントを活用する理由
- 企業活動のグローバリゼーションが進展するにつれて、サプライチェーンも複雑化、広範化していきます。
- サプライチェーンの複雑化、広範化にともない、サプライチェーンが直面するリスクも複雑化・広範化していきます。
- 自社以外の組織でのリスク、遠く離れた場所でのリスクも考慮しなければならず、自社で蓄積したノウハウのみでリスクを評価するすることは難しくなってきています。
幅広いステークホルダーと円滑なコミュニケーションが必要なため
- いうまでもなく、サプライチェーンは一社のみで完結するものではなく、様々なステークホルダーが関与します。そのステークホルダーも広範化・複雑化しています。
- BCPを考える際、ステークホルダーをコミュニケーションをとる必要がありますが、コミュニケーションも以前に比して複雑化しているのではないでしょうか。
- BCPについて客観的にかつ幅広く考えることができる専門家を活用してステークホルダーとコミュニケーションをとることのメリットは非常に大きいといえます。
- 災害・海外リスク総研では、効率的なコミュニケーション手段の一つとして標準化されたフォーマットの使用や、専門的見地からオプションを提案するなどしてステークホルダーとのコミュニケーションを支援します。
- 複雑、広範なサプライチェーンのBCPは、BCPも複雑、広範化しがちです。BCP策定には多くの労力を要するでしょう。
- このようなBCP策定にこそ、専門的な手法が活きてきます。また、策定プロジェクト自体も体系的、効率的に進める必要があります。コンサルタントを活用することのメリットは大きいと考えます。
サプライチェーンBCPで考えるべきこと
様々な危機などに際して、サプライチェーンを維持し、製品、サービスなどを提供し続けることは企業の社会的責任にもかかわってくることです。上記で述べたように、サプライチェーンは高度システムの使用なども含めて広範化、複雑化の傾向にあることも踏まえ、特にサプライチェーンに特化してBCPを考える必要があります。
ここではサプライチェーン
リスクを知るためには、関係する地域の地政学的、政治状況もふくめた幅広い考察が必要。
- 日本のみで業務を遂行している場合でも、サプライチェーンがグローバルに及ぶのであれば、グローバルでのリスク評価が必要です。世界には、通常日本では見られないようなリスクにあふれています。エボラ熱のような感染症の流行、ストライキ、人権問題になり得るような労働条件、サイバー攻撃などなど。これらのリスクも広範にカバーする必要があります。
- 例えば、自社拠点から遠くはなれた地域での原材料調達が人権問題をはらむようなことがあれば、人道的観点からも非難をうけ企業のリピュテーションを大きく毀損する可能性があります。これら有形無形のリスクを影響、蓋然性などから評価する必要があります。
サプライチェーンの全体像を把握して、重要業務を決定(重要業務分析 BIA)
- 有名な孫氏の言葉に“敵を知り、己を知れば百戦危うからず。”というものがあります。BCPにおいてもこの考え方を応用して、リスクのみならず己も知るようにしましょう。
- まずは、サプライチェーンの全体像を把握しましょう。製造業であれば原材料までたどる必要があります。輸送手段経路も把握しましょう。例えば、台湾有事が発生した場合、台湾海峡のみならず、バシー、マラッカ等広範な影響を考える必要があります。
- サプライチェーンの重要業務を決定しましょう。製造業であれば、重要製品、サービスに関わるものが重要業務になると思います。そしてその重要業務を支えるリソースを明らかにしましょう。
平時の準備がカギ。準備によって有事のオプションが増える。
- リスク評価や重要業務などを検討したら、対策を考えましょう。
- サプライチェーンについていえば、有事の対応よりも、平時に行う対策の構築、準備の方が難しいかもしれません。たとえば、供給元の代替先を準備する、と言ってもまさに”言うは易し行うは難し” でしょう。
- 代替手段の確保、バックアップ体制の確立はサプライチェーンBCP対策の基本といえますが、多くのリソースを要するのが一般的です。優先順位をつけてできるところからやりましょう。
- 昨今、サプライチェーンにおいてもDXが推進され、ITに依拠するところが大きくなっていると思います。ITリスクへの対応も怠ることなく検討しましょう。
- ステークホルダーマネジメントも非常に重要です。平素からBCPの目的、スコープなどを共有しておきましょう。
- 平素から複雑、広範なサプライチェーンを行っている場合は特に、適時の情報収集・分析・評価が対応のカギとなります。速やかに情報チームを立ち上げ機能させましょう。そして意思決定に必要な情報(いわゆるInfomationではなく、Infomationを処理したIntelligenceです。)を、適時に意思決定者に提供しましょう。
- 言うまでもなく、ステークホルダーとの連携も重要です。リードする立場の企業であれば円滑な連携のため”情報集約センター”、”xx調整センター”などのスキームを設置し、連携を促進しましょう。
- 平時に計画した代替手段、バックアップ等発動の意思決定、実行を行いますが、手段が計画にない場合についても、あきらめることなく応急処置を検討しましょう。この際、ダメージコントロールを行うことも重要です。
以上、サプライチェーンBCPを策定する場合の考慮事項などについて見てきました。お悩みの場合は、ぜひBCPコンサルタントをご活用ください。。