台湾有事への備え、対応→台湾のみならず中国進出企業にも大きなリスク
以前に増して蓋然性が高まっているとされる台湾有事。台湾有事においては、特に本格的侵攻ケースの場合、日本も当事者、自衛隊が主要プレーヤーとなる可能性が高くなります。中国が日本を交戦国と認識した場合、中国の国家動員法、いわゆる反スパイ法、反日感情などにより、中国と関係する日本企業にも大きな影響が及ぶことが想定されます。
有事の際には、在台湾のみならず在中国の社員・ご家族様や現地社員等の生命、財産へのリスクの高まり、サプライチェーンや現地でのビジネスなどへの広範かつ甚大な影響が想定されます。
政治、戦略、作戦にかかる専門的知識などをもとにして、精度の高いシナリオを組立て、御社の観点から適切に分析し、人、アセットなどを守り事業を継続するために何をすべきか、などについて適切なコンサルティングサービスを提供いたします。
台湾有事シナリオ及び対応行動の一例

【弊社の強み】
・教育・訓練:高度な兵棋演習、War Gameに精通したコンサルタントが、正確に考察したシナリオに基づき、クライアント様の目的に沿った訓練計画を作成し、実行を支援します。特に実際の有事に即した訓練に強みが発揮されます。
・計画、体制構築、シナリオ分析:専門的な戦略、作戦知識を有したコンサルタントが正確にシナリオを分析して作成、そのシナリオに基づき計画策定、体制構築の支援をいたします。
台湾有事サービス例
項目 | サービスの概要 | こんな時に |
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安全確保、事業継続などのための計画策定・体制構築支援 | 平素・有事の情報収集体制、対策本部の編成、退避の判断、退避行動、事業継続など台湾有事のための総合的な計画策定、体制構築のための支援 | ・台湾有事が気になっているが、知見がないため、体制の構築ができない。 ・BCPをすでに保有しているが、台湾有事に適応できるか不安だ。見直したい。 |
研修・講義 | 講義やグループワークなどにより、有事の様相、予想される軍事作戦、安全確保要領などについての理解の促進を支援します。 | ・そもそも台湾有事のイメージがわかない。事業部の皆で理解したい。 ・台湾有事に対する意識を高めたい。 |
図上演習(TTX) | 対策本部などを対象として台湾有事のシナリオに基づき図上演習を行います。レベルに応じた演習により、意思決定の能力を向上させたり、既存の計画の問題点などを発見し改善につなげることができます。 | ・既存の計画がきちんと機能するのか不安だ。実際に計画に基づいて行動することにより検証し、不具合点を抽出したい。 ・実際のシナリオに基づき、対策本部で意思決定や情報処理の訓練を行いたい。 |
シナリオ立案、分析 | 台湾有事が組織に与える影響、対応策などを案出するため組織に適合した台湾有事シナリオの立案、分析を行います。 | ・当社の経営戦略室で台湾有事の対応を考えている。基礎資料として詳細なシナリオが欲しい。 |
期間アドバイザリー契約 | ・平素からニーズに応じたコンサルティングを行うとともに、情勢レポートを提出します。(回数等制限あり) ・有事には、クライアント様に寄り添いチームの一員として対応いたします(期間契約中に有事が発生した場合)。 | ・特に有事に専門家の直接的な助けがほしい。 |
〈シナリオとBCP策定との連接のイメージ例〉
時間の推移→ | D(開戦日)ーx日 | D日 |
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戦略・作戦シナリオ抜粋 | ・部隊の展開、大規模演習、サイバー攻撃、 ・中国軍等による臨検 ・台湾軍等による台湾の空港、空域の使用統制(民間定期便減便) | 基地、水上艦艇へのミサイル攻撃 航空優勢、海上優勢獲得のための作戦、海上封鎖、 |
事業影響度評価(BIA) | ・製品Aに不可欠なタイ王国からの部品Bの供給(海路) | ・台湾C社の在台中工場(九州にも製造工場を保有)への製品Aの納入 |
リスク評価(RA) | ・バシー海峡航行困難化、輸送費の高騰など | 台湾及び周辺空域海域へのアクセス不可により製品の納入不能など |
対応策 | ・航空便による輸送検討 ・船賃の確保 ・代替サプライヤーの検討 | ・九州工場への納入検討・調整 |
台湾有事BCP 国外退避
国外退避は、現地に滞在する社員、帯同ご家族様等の安全確保のための主要な手段ですが、いうまでもなく事態が悪化すればするほどその手段は限定され、退避が困難になります。サイバー攻撃により通信インフラがダウンするだけで予約自体も困難になるでしょう。開戦直前または開戦後は、国外便を運航できるような主要空港や港湾は台湾軍の使用統制により商用便運航不能となり、飛行・航行禁止区域も設定されるため、実質国外退避は不可能になる公算が大きくなります。
台湾有事 BCP 事態の状況に応じた国外退避手段の例

台湾有事特有の考慮事項 BCPを策定する際に。
台湾有事は、「一つの中国」を核心的国益とする中国が台湾に侵攻することによって生起します。一言で「侵攻」又は「有事」と表現しても、その侵攻形態は海上封鎖や金門島などの台湾にとっての島しょ部への侵攻で留まるものから、本格的な着上陸侵攻に至るものまで大きな幅があります。ただ、「一つの中国」政策を具現するためには台湾島の実効支配が必要であり、究極的、将来的には実行支配のための着上陸作戦と行うでしょう。実際、中国人民解放軍は陸上部隊を含めたPower Projection戦力投射能力を着々と構築しています。
2023年1月、米国を代表する政策シンクタンク 戦略国際問題研究所(CSIS)は中国が台湾へ軍事侵攻した場合の図上演習の結果を公表しました。そのシミュレーションの”基本ケース(Base case: the most likely value of a given variable)”では自衛隊も米軍、台湾軍とともに台湾有事の主要なプレーヤーとなっています。(※)。 複数の大国が交戦する戦争・紛争となるとその影響はグローバルに及び、企業活動にも広範かつ深刻な影響を及ぼすことになるでしょう。
※ 中国の作戦形態、政治判断によりますが、自衛隊法、日米安保条約などに基づき国民保護、我が国防衛、米軍支援などのため様々な形態での自衛隊の作戦行動が想定されます。
ここでは、危機管理や事業継続計画(BCP)策定などにおける台湾有事特有の考慮事項などについて列挙します。
海外安全・危機管理のための弊社サービス全般
【計画策定・体制構築】
項目 | サービスの概要 | 期間(※1) | こんな時に |
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全社的計画策定・体制の構築 (※2) | ・海外における社員様や施設等の安全確保、危機管理や事業継続などのための全社的な計画策定、体制構築支援を行います。 ・進出してる国などのリスク分析等を行い、社員様等の退避を伴うような紛争、政情不安、テロやパンデミック、傷病、自然災害、一般犯罪など進出国において蓋然性が高いリスクに対する計画策定、体制構築を支援いたします。 ・国内作業を基本とし、本社などに焦点をあてた体制を構築いたします。 | 1か月~ 4か月 | ・治安の悪い地域に現地法人があるが、何も対策をしていない。駐在員が心配だ。対策本部の編成などから全社的に準備したい。 ・政情不安な国に社員を赴任させている。リスク評価に基づき情報収集体制や国外退避の手順など総合的に対策を取りたい。 |
海外現地の体制構築・計画策定 | ・現地に焦点をあてた計画策定、安全体制構築支援をおこないます。 ・現地において詳細な調査、リスク分析などを行いきめ細かい計画策定、体制構築支援を行います。 | 1か月~ 3か月 | 本社の危機管理体制はある程度整えているが、現法のある治安の悪いB国安全対策はなにも行っていない。現地を確認の上しっかりと安全体制を確立したい。 |
※1 内容や組織の規模などにより変動いたします。
※2 全社のみならず、事業部等も対象としています。ご相談ください。
【教育・訓練・演習】
項目 | サービスの概要 | 期間(※) | こんな時に |
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講義、研修 | お客様のニーズに合わせて、海外における各種リスク、脅威から安全を確保するための行動、社員を守るための企業の行動などについて講義、グループ討議支援などを行います。安全意識、スキル、リスクへの理解などを高めるお手伝いをします。 | 準備期間:1週間~1か月 実行:2時間~1日 | ・海外出張中にトラブルに巻き込まれる例が散見される。会社として、安全を確保するための基本的な行動を社員に周知したい。 ・外務省海外安全情報危険レベルが高い地域に拠点がある。テロリストによる爆破、銃撃などや強盗、スリなどへの対処を知りたい。 |
机上討議 (Table Top Discussion: TTD) | お客様のニーズに合わせて、特定のシナリオのもとでの課題等を設定、関係者で討議し課題に対する理解を促進したり、解決策を見出す支援を行います。 〈例〉台湾有事の際の台湾駐在社員様の退避について討議し、事業継続などを勘案した退避発動条件などを案出する、 等 | 準備期間:3週間~2か月 実行:2時間~1日 | ・一度経営陣で集まってA国からの国外退避の際の影響について話し合い、課題にかかる認識を共有したい。 ・B国において誘拐事件が発生した場合に会社として行うことを整理したい。 |
図上演習(Table Top Exercise: TTX) | 対策本部などが設置される会議室などに意思決定者や対策本部員などの関係者が一堂に会して机上で訓練を行います。 準備段階において、演習の目的や危機において向上させたい事項などを設定し、それらに基づいて演習計画、シナリオなどを作成します。 演習ではシナリオに基づき状況を付与、それらに対応します。演習後は振り返り(AAR)を行います。 | 準備期間:1か月~3か月 実行:3時間~数日 | ・事務所があるA国首都においてエボラ熱が蔓延した場合の対策本部の行動をイメージアップしたい、 ・B国でクーデターが発生(発生前)した時の対応について、実戦形式で訓練したい。 ・既存の計画の有効性を検証したい。 ・マニラ巨大地震対応のため、本社対策本部の初動における活動を訓練したい。 |
その他教育資料の作成等 | ・社内e-Learningの資料作成 ・海外赴任者に対する赴任前教育支援 など | TBD | ・社内e-Learningにおいて災害時の行動についてあらたに教育する予定である。資料を作成したい。 |
※ 内容や組織の規模などにより変動いたします。