【海外安全 危機管理ニュース】マダガスカルにおける政変による治安悪化に伴う注意喚起 首都アンタナナリボでクーデター発生、大統領は国外へ、軍が政権掌握。

〈ニュース〉9月下旬からダガスカルの首都アンタナナリボで、停電、断水に抗議する学生等による大規模デモが行われ、治安機関とデモ隊が衝突する事態が起きました。その後、国内各地において公共施設や商業施設等を対象とした放火や略奪行為が行われ、複数の死傷者が出る事態が発生しました。

・全国に拡大したデモはラジョエリナ大統領の退陣を求めて過激化していましたが、13日同大統領は国外に逃亡した模様です。

・10月15日(水)(日本時間)における各種報道によると、14日に軍が国家権力を掌握し暫定統治を宣言したとのことです。軍などで構成する政府委員会が最長2年間、暫定政府とともに国を統治し、その後選挙を実施して民政に移行するとのことです。

〈コメント〉

・10月15日現在、マダガスカルの外務省海外安全情報危険レベルは「1(十分注意してください)」であり、レベルの引き上げは行われておらず、アフリカ諸国のなかでは比較的低いといえます。ただし、外務省はスポット情報で「マダガスカルへの渡航を検討されている方におかれては、不要不急の渡航は延期することをお勧めします。」としています。

・今回のクーデターは、全土に広がったデモに軍が同調する形で大統領が国外退避し、軍が国を掌握しました。短期的にも混乱が継続することが予想されますが、暫定統治が上手く機能しない場合には、1-2年以上のスパンでの不安定化も予想されます。

・やむを得ず渡航、滞在する場合においても、当面は最新情報の入手につとめ、連絡手段、退避手段の確保、非常用の水、食料などの準備などをお勧めします。(了)