【コラム 防災編】災害における熱中症対策
防災、災害対応コラム
・労働安全衛生規則の改正により、2025年6月1日から職場における熱中症対策が、罰則付きで義務化されることとなりました。高温環境下での作業において、熱中症を予防するための体制整備、対策の実施、周知などが求められます。
・今年の夏も熱くなりそうですが、災害に備えた熱中症対策は考えていますか。
・首都直下型地震や南海トラフ地震などの巨大地震がオフィスアワーに発災すると、多くの人は職場に留まることになるでしょう。安全確保のため、また行政が行う救援活動の妨げとならないように条例などで3日間留まることを奨励されている場合が多いと思いますが、3日間で公共交通機関が回復する保障はありません。3日以上オフィスに留まらざるを得ない状況もあると思います。
・都市部では高層オフィスビルで勤務、といったことも多いと思います。電源喪失により空調も使えない、窓も開けることができない、ということになると室内の温度は相当上昇すると思われます。
・体力的にも精神的にも参っているときに長期間高温の室内にとどまる、ということになると熱中症のリスクも上がるでしょう。そして熱中症になったとしても平時に比して医療機関へのアクセスは非常に限られることも考えられます。
・冒頭紹介した労働安全衛生規則の改正とは、平時と有事という意味において、直接関係するものではないかもしれませんが、最近の猛暑などを踏まえ災害時の熱中症の備えも欠かせないものであると思います。(了)
〔参考〕「職場における熱中症対策の強化について」(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf